珈琲工房 萩原

コーヒー豆知識

コーヒー豆のふるさと

コーヒー豆は、コーヒーベルト地帯と呼ばれる、赤道を中心に北緯 25 ℃から南緯 25 ℃の間で、標高が 1200m~2500mの高地、年間の平均気温が20 ℃~24 ℃くらいのところで栽培され、原産国は世界 60 数カ国にものぼります。

<要原産国>
中南米 ブラジル、グァテマラ、コロンビア、メキシコ、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エル・サルバドル他
アフリカ エチオピア、ケニア、タンザニア、ブルンジ他
アジア 中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム他
その他 ジャマイカ、キューバ、ハワイ等

タンザニア アスコナ農園 日向式栽 真っ赤に熟したグァテマラコーヒーチェリー

とても複雑なコーヒー豆の等級と・格付け

コーヒー豆に等級や格付けがあるのは、一般的にはあまり知られていないようです。その表示や基準の決め方は各国様々でとても複雑です。

 例えば
【ブラジル サントス No.2 SC18 SS 】という豆の表示があったとします。この表示を解説すると次のようになります。

ブラジル サントス №2 SC18 SS
原産国 出荷港、特にブラジルでは出荷港によってコーヒー豆の保存や管理方法が違い、その管理の仕方が味にも影響することから、出荷港が表記されます。 生豆 300 g中の欠点豆の混入率で、 No.2 ~ No.8 まである。数字が低いほど質が高い スクリーンサイズといって豆の大きさを表す表示で、 20 ~ 13 まである。数字が高いほど粒が大きい カップという表示で、味の特徴を表します。 SS はストリクトリーソフトの略で、充分に柔らかく、甘味のある味という意味。他に S、St、H、R、Rz とある。

とこんな具合です。

 他国の場合は、グァテマラは採取される標高で等級が決まり、上から SHB、HB、SH、EPW、PW。コロンビアは豆の大きさでスプレモとエクセルソにわけられ、有名なブルーマウンテンやハワイコナエクストラファンシーなども、やはり豆の大きさで、 No.1、No.2、No.3と表示されます。とても全てを紹介するわけにはいきませんが、ここでコーヒー豆を買う人の立場で気をつけなければならないのは、各国の等級や格付けの基準を満たしさえすれば【どんなに年数が経って、どんなに豆の状態が悪くなっても、その等級はそのまま表示される】と言う事です。

*写真はエチオピア シダモ地方の陰樹(シェードツリー)栽培

 本当にいい状態の品質のいいコーヒー豆を焙煎後の豆を見て見極めるのは、とても難しいですが、ショップへ直接コーヒー豆を買いに行く場合、本当に信頼できるお店かどうかを簡単に見分けるには、まず第一は焙煎日が明記されている事!その他には、そのお店で売っている豆を生産している農園や採取された標高が明記してある事。またショーケースの中の豆の粒をよく見てシワがよくのびて光沢があり、粒の大きさが揃っているなどが挙げられます。ですから、安易に銘柄や値段で質の悪いコーヒー豆を買ってしまい、一度飲んだだけで茶箪笥の奥にしまったまま。なんて事になりかねません。コーヒー豆は慎重にお買い求めください。

コーヒーのお勧めの飲み方

星味は感じるもの

ウチの店に来るお客様の中にも「私はコーヒーの味がわからないもので」とおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。味は感じるもので“わかる”ものではないと思っています。

①アロマを楽しむ

カップに鼻を近づけて、鼻の奥にぶつけるような感じで香りをかぐ。(鼻の奥のほうには嗅覚受容体というところがあり、意識するといろいろな香りの違いがわかるようになります)

②味覚を楽しむ

少し冷めてから、少しだけズズッと音を立てて飲んでみる(舌には味蕾といわれる味を感じるところがあり、部署によって異なります。音をたてて飲む事でコーヒーが舌いっぱいに拡がって、甘味・苦味・酸味などが、はっきりと感じられます。質の悪いコーヒーは雑味などイヤな感覚が残ります)

③フレーバーを楽しむ

飲み込んだ後の舌に残っている味や、鼻から抜ける香りに意識を向けてみてください。良質のアラビカ種の豆を適切に焙煎したときにのみ感じられるチョコレートに似たフレーバー“チョコレート香味”が感じられるかどうか確かめてみる。

おいしいコーヒーの点て方

星ペーパーフィルター編
〔準 備〕
  • ・ペーパーフィルターは2~3mmほど深く折る。
  • ・コーヒーの粉を平らに入れ、真ん中にくぼみをつける。
  • ※コーヒーの粉は1人分12gが目安。3人分(450ml)以上を1度に点てるときは1人分10gくらいが良い。

〔蒸らし〕
  • ・注湯する際、ポットから出たお湯がつぶつぶの破線(・・・・状態)になってから粉に落ちるようにする。(コーヒーの粉の上でお湯が跳ねる感じ)
  • ・コーヒーの粉にまんべんなくお湯を注ぎ、フィルターの下からコーヒーが滴り落ちてきたら、いったんお湯を止める。
  • ・15を数える。(イチ・ニ・サンと数えると早くなってしまうので、ヒャクイチ・ヒャクニ・ヒャクサンと数えるとよい)

〔抽 出〕
  • ・膨らんだ粉の真ん中にゆっくりとお湯を注ぎ、粉がドリッパーの縁一杯にくるまで注ぐ。
  • ・粉が縁まできたらお湯を回し始める。(下に落ちるコーヒーと注ぐお湯の量が一定であればいいので無理に回さなくてもよい)
  • ※お湯を回すときはドリッパーの縁にお湯を当てないように粉の真ん中に500円玉くらいの大きさをイメージして回す。
  • ・粉が溢れそうになったらお湯を止める。
  • ※カリタなど3つ穴のドリッパーの場合は2~3回の注湯で終わるように。メリタの1つ穴の場合は1回で抽出を終わらせるようにする。

杯数分のコーヒー粉の目安(お好みにより調節してください)

  1人分 2人分 3人分 4人分 5人分
コーヒー粉 12g 24g 32g 40g 48g
抽 出 量 150ml 300ml 450ml 600ml 750ml

星ポイント

コーヒーを美味しく点てる上で、最も重要なポイントの1つは“お湯をタップリ使う”事です。決して、ドリッパーのお湯が出きってしまうまで、コーヒーをサーバーに落とさないようにしてください。

ドリッパー内のお湯を落とし切ってしまうとコーヒーのアクまで落ちてしまい、エグみ(いつまでも舌に味が残る後味の悪い)のあるコーヒーになってしまいます。

カップ2杯分(300cc)のコーヒーを点てるのであれば、少なくともドリッパーに残ったお湯が7分目くらいになったときに300ccに到達するように工夫をしてみてください。

そうする事でご家族のコーヒーの味は見違えるはずです。

「コーヒーメーカーを使ったアイスコーヒーの入れ方」(ビデオ)もご覧ください。